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電気・設備施工管理の年収|専門性と需要の構造

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📑 目次(タップで開く)
  1. 結論:年収の目安と、それを支える構造
  2. なぜ設備系の需要は構造的に強いのか
  3. 電気と設備(管工事)の違い
  4. 資格の効き方:電気工事・管工事施工管理技士
  5. 建築施工管理との立場の違いが年収に与える影響
  6. 公的統計で設備系の数字を引く
  7. 年代・経験で設備系の年収はどう上がるか
  8. ケーススタディ:木下さんの「専門性を深める」判断
  9. 設備系の求人票を年収の観点で分解する
  10. 建築・土木と比べて位置づける

電気・設備施工管理の年収を検索すると、「需要が強い」「専門性が高い」という言葉と一緒に、記事ごとに違う平均額が並びます。先に結論を言うと、設備系の年収を支えているのは、建物が存在する限りなくならない設備更新の需要と、専門知識が必要なゆえの担い手の希少さです。この記事では、なぜ設備系の需要が構造的に強いのかを具体的に示し、電気工事・管工事施工管理技士の効き方、建築との立場の違い、公的統計の引き方を整理します。会社固有の金額は断定しません。

この記事でわかること:

  • 電気・設備施工管理の需要が構造的に強い理由と、それが年収に効くしくみ
  • 電気工事施工管理技士・管工事施工管理技士という資格の効き方
  • 建築施工管理との立場の違いと、公的統計・求人票の読み方

結論:年収の目安と、それを支える構造

先に数字の目安を返します。厚生労働省の賃金構造基本統計調査や職業情報提供サイト(ジョブタグ)を手がかりにすると、電気・設備施工管理の年収はおおむね年400万〜700万円台の幅に分布します。20代や小規模工事中心では低め、1級を持ち大規模工事や成長分野の設備を担う層では高めで、単一の平均値で語れないほど開くのが実態です。会社固有の金額は断定できませんが、専門知識ゆえの担い手の希少さと、設備更新という消えない需要が、この領域の待遇を下支えしている点を先に押さえてください。

年収を考えるときの見取り図を先に示します。

動かす変数 効き方 自分で動かせるか
専門性の希少さ 担い手が限られ、需要に対し人材が不足しがち。待遇を支える 経験で高める
資格(電気工事・管工事施工管理技士) 技術者配置の要件に関わり、手当・昇格に直結 動かせる
需要の強さ 設備更新・改修、データセンター・再エネなどの投資 業界の追い風
企業規模 賃金水準の傾向を左右する 転職で動かせる
年代・経験 扱える工事規模が上がるほど評価が上がる 時間で動く

電気・設備施工管理の年収は、職種名だけで高い低いが決まるわけではありません。ただし、専門知識が要るために担い手が限られ、しかも設備更新という需要がなくならない、という2つの構造が、この領域の待遇を下支えしています。まずこの構造を理解したうえで、資格と企業規模という動かせる変数に手をつけるのが、平均額を眺めるより確実です。年収の総論は施工管理の年収の記事にまとめてあります。

なぜ設備系の需要は構造的に強いのか

「需要が強い」とよく言われますが、その中身を具体的に押さえると、年収との関係が腑に落ちます。設備系の需要は、次の3つの層から成り立っています。

需要の層 内容
更新・改修 既存の建物の電気設備・空調・給排水は、老朽化すれば更新が必要。建物がある限りなくならない
新築工事 ビル・商業施設・住宅など、あらゆる新築に電気・設備工事が伴う
成長分野 データセンター、再生可能エネルギー関連、省エネ改修など、電気・設備の比重が大きい分野の投資

とくに重要なのが「更新・改修」の層です。建築の新築需要は景気に左右されますが、いったん建った建物の設備は、景気に関係なく寿命が来れば更新しなければなりません。この「消えない需要」が、電気・設備施工管理の雇用を安定させています。加えて近年は、データセンターの建設や再生可能エネルギーの導入、既存建物の省エネ改修など、電気・設備の専門性が主役になる分野の投資が続いています。需要が構造的に強い一方で、専門知識を持つ担い手は簡単には増えません。この需給の差が、待遇を下支えする力になっています。

電気と設備(管工事)の違い

「電気・設備」とひとまとめにされがちですが、実務は分かれます。自分の適性を考えるうえで、違いを押さえておきましょう。

領域 主な対象 資格
電気工事施工管理 受変電設備、屋内配線、照明、通信・情報設備など 電気工事施工管理技士
管工事施工管理 空調、給排水、衛生、ガスなどの配管設備 管工事施工管理技士

どちらも専門性が高く需要が強い領域で、年収の優劣を一般化することはできません。電気系は電気回路や受変電の知識が中心、管工事系は空調・給排水など機械設備の知識が中心と、扱う技術の性質が違います。どちらに進むかは、自分の適性と、取得しやすい資格の種目から考えるのが現実的です。仕事内容の詳細は電気工事施工管理の仕事内容の記事管工事施工管理の仕事内容の記事で解説しています。

資格の効き方:電気工事・管工事施工管理技士

設備系でも、施工管理技士の資格は法律上の技術者配置に関わるため、構造的な価値を持ちます。

  • 2級(電気工事・管工事施工管理技士):中小規模の工事で主任技術者になれる。入り口の目標として現実的
  • 1級(電気工事・管工事施工管理技士):大規模工事の監理技術者になれる要件に関わり、市場価値が高い

電気工事や管工事は、専門工事として独立性が高く、資格を持つ技術者の配置が受注の条件になる場面が多い領域です。そのため、資格の有無が会社の受注力に直結し、資格手当や昇格で報いる会社が多くあります。ただし手当の額は会社ごとに違い、「1級を取れば必ずいくら上がる」という相場はありません。取得の流れは電気工事施工管理技士の取り方の記事管工事施工管理技士の取り方の記事に、手当のしくみは施工管理技士の資格手当の記事にまとめています。

建築施工管理との立場の違いが年収に与える影響

設備施工管理は、建築施工管理とは立場が違い、これが働き方と年収の出方に関わります。

  • 建築施工管理:建物全体を統括し、多くの関係者を調整する立場。関係者が多く調整量が最大
  • 設備施工管理:建築工事の進行に合わせて、自分の工種(電気・空調・給排水など)の施工を管理する立場。専門領域を深く扱う

設備施工管理は、建築の進み具合に合わせて動くため、建物全体の統括は建築側が担います。関係者は建築ほど多くない一方、専門技術を深く扱うのが特徴です。この「専門性の深さ」は、担い手が簡単には代替されないことを意味し、需要の強さと合わさって待遇を支える土台になります。ただし、改修や更新の現場では夜間・休日作業が入ることもあり、その割増が総額に効く場合があります。だからこそ、総額だけでなく所定内給与(割増を除いた本体)で各社を比べることが大切です。

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公的統計で設備系の数字を引く

自分の条件で確認するなら、次の2つが出発点です。

  1. 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」:産業別・年齢階級別・企業規模別・都道府県別に、所定内給与や年間賞与が公表される基幹統計です。政府統計の総合窓口(e-Stat)から最新年にたどれます。建設業全体だけでなく、自分の年齢階級と企業規模の区分まで掘るのがコツです
  2. 厚生労働省「職業情報提供サイト(ジョブタグ)」:電気や設備の施工管理に相当する職業のページで、賃金や労働時間の目安を確認できます

年収は「きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額」で組み立て、所定内給与と分けて見ると残業への依存度がわかります。平均値は高い値に引っ張られるため、分布の中の目安として扱ってください。この作業をしておくと、「設備は需要が強いから稼げる」という漠然とした話を、自分の条件の数字に落として確認できます。

年代・経験で設備系の年収はどう上がるか

電気・設備施工管理も、任せられる工事の規模と難易度が上がるほど評価が上がります。設備系ならではのポイントは、専門技術の深さが年数とともに積み上がることです。

段階 電気・設備施工管理での位置づけ
20代 図面確認・材料手配・書類作成から。小規模工事の施工管理を任され始める
30代 中〜大規模の設備工事の主担当。1級取得で監理技術者への道が開ける
40代以上 大規模工事や成長分野の設備を統括。専門領域の第一人者として評価される

大切なのは、年代そのものではなく「その年代までに積んだ専門経験と資格が評価される」という点です。設備系は技術の専門性が深いため、経験の中身が市場価値を大きく左右します。同じ35歳でも、大規模ビルの受変電設備や、データセンターの電源設備といった難度の高い工事を担当した経験がある人と、小規模工事の補助にとどまってきた人では、評価が違います。「どの設備を、どの規模で、どの立場で担当したか」を数字で語れる形にしておくと、転職や昇格の場面で強い材料になります。専門性が高いぶん、経験の言語化が年収に直結しやすい領域だと言えます。

ケーススタディ:木下さんの「専門性を深める」判断

木下さん(30歳)は電気工事会社で施工管理を7年務め、オフィスビルや商業施設の電気設備工事を担当してきました。年収を上げたいと考えたとき、木下さんはまず賃金構造基本統計調査で建設業・30〜34歳の数字を企業規模別に引き、自分の現在地を把握しました。そのうえで、転職で会社規模を上げる道と、専門性を深めて市場価値を上げる道を比べました。

木下さんが選んだのは後者を先に進める道です。1級電気工事施工管理技士を取得して監理技術者として認められる立場になり、加えて近年増えているデータセンター関連の電気工事の経験を積みました。専門性の希少さと需要の強さが重なる領域で実績を作ったことで、転職市場での評価が明確に上がりました。決め手は、需要が強いという業界の追い風を、資格と専門経験という自分の材料に変換したことです。木下さんは「需要が強い分野を選ぶだけでなく、その中で自分にしかできない経験を積むと、待遇の交渉力が変わる」と振り返っています。

設備系の求人票を年収の観点で分解する

候補の求人票を、次の順で分解してください。

  • 基本給はいくらか:総額表記から手当を引いた本体
  • 固定残業代の有無と時間数:含まれるなら何時間分か。超過分の支払い明記があるか
  • 賞与の算定基礎:基本給ベースか、業績連動か
  • 資格手当の条件:電気工事・管工事施工管理技士の等級ごとの手当を確認する
  • 担当分野:成長分野(データセンター・再エネ等)か、更新・改修中心か。経験の希少性に関わる
  • 夜間・休日作業の頻度:改修現場では総額に効くが、所定内で比べるのが基本

設備系は専門性で評価される領域なので、「どんな工事の経験を積めるか」が長期の年収に効きます。目先の総額だけでなく、市場価値の高い経験を積める環境かどうかも、求人選びの観点に入れてください。

建築・土木と比べて位置づける

電気・設備の年収は、建築や土木の施工管理と並べると特徴がはっきりします。建築は民間の大型案件で水準が出やすく、土木は公共工事の安定性で強く、電気・設備は専門性の希少さと消えない需要で支えられています。職種選びは資格の種目選びにも直結するので、建築施工管理の年収の記事土木施工管理の年収の記事を横に並べて読むと、設備系の位置づけが立体的に見えてきます。

最後に。「需要が強い」は業界の追い風であって、そのまま自分の年収になるわけではありません。追い風を自分の年収に変えるのは、資格と、市場価値の高い専門経験です。まずは賃金構造基本統計調査で現在地を確認し、電気工事・管工事施工管理技士の取得と、需要の強い分野での経験づくりから手をつける。それが、専門性を武器に年収を上げていく現実的な道です。

参考にした一次情報:

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よくある質問

Q. 電気・設備施工管理の年収は建築や土木より高いですか?

A. 職種の違いそのものより、資格・企業規模・専門性の希少さで決まります。設備系は専門知識が必要で担い手が限られるため、需要に対して人材が不足しがちで、それが待遇を支える要因になっています。ただし個々の年収は会社の規模や1級資格の有無で大きく変わるため、職種名だけで高い低いは決められません。

Q. 電気工事施工管理技士を取ると年収は上がりますか?

A. 上がりやすい構造があります。電気工事施工管理技士は、電気工事の技術者配置の要件に関わり、会社の受注力に直結するからです。1級は大規模工事の監理技術者になれる要件に関わり、市場価値が高いです。ただし資格手当の額は会社差があるため、自社や応募先の制度を確認してください。

Q. なぜ電気・設備施工管理の需要は強いのですか?

A. 新築工事だけでなく、既存の建物の設備更新・改修という途切れない需要があるためです。加えて、データセンターや再生可能エネルギー関連など、電気・設備の比重が大きい分野の投資が続いています。設備は建物が存在する限り更新が必要で、この構造的な需要が担い手への待遇を支えています。

Q. 電気と管工事(空調・給排水)ではどちらが年収が高いですか?

A. どちらが上と一概には言えません。いずれも専門性が高く需要が強い領域で、年収は資格・企業規模・担当する工事の規模で決まります。自分の適性(電気系か、空調・給排水などの機械設備系か)と、取得しやすい資格の種目から考えるほうが現実的です。

Q. 設備施工管理は建築の施工管理と何が違いますか?

A. 立場が違います。設備施工管理は、建築工事の進行に合わせて自分の工種の施工を管理する立場で、建物全体を統括する建築施工管理と役割が分かれます。関係者は建築ほど多くない一方、専門領域の技術を深く扱います。この専門性の深さが、需要と待遇を支える土台になっています。

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この記事を書いた人

キャリタイプ建設編集部施工管理・建設キャリア専門メディア

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